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脳細胞の活性化を助けるリンゴ/食べ物でこころも元気に〈1〉

ポリフェノールの一種ケルセチンの効用

 2025年のこのコーナーは「食べ物でこころも元気に」がテーマ。連載の初回は、旬の果物であるリンゴの効用について紹介していきます。
 リンゴには、血圧上昇を抑えるカリウム、老化防止や生活習慣病予防の作用を持つリンゴポリフェノール、腸の調子を整える食物繊維、疲労回復(肩こり、腰痛の防止)に役立つリンゴ酸など、たくさんの栄養素が含まれています。
 中でもメンタルヘルスに関連が深いのは、高い抗酸化作用があるケルセチンです。この栄養素もポリフェノールの一種で、特に果皮に多く含まれます。動脈硬化防止、血流改善、関節痛症状の緩和といった効果があり、そしてアセチルコリンというこころを司る脳細胞の活性化に役立つ物質が、減ってしまうのを防ぐ役割があります。
 アセチルコリンは、記憶力や学習能力、集中力を高めてくれる神経伝達物質で、脳の疲労回復やストレスなど緊張状態も緩和させます。これが減少すると、集中力や記憶力の低下を招いてしまうのです。
 基本的にアセチルコリンは、増減はしても不足状態にはならないとされています。しかし、加齢や喫煙、睡眠不足や不規則な生活、極端なダイエットなどにより大きく減少する場合があります。バランスのよい食事や、適度な運動、生活習慣の見直し、新たな物事の学習を取り入れることで、アセチルコリンの増加を促すことができるとされていますが、それが減らないよう手助けしてくれるのがリンゴのケルセチンです。
 また、リンゴの香りには気分をリフレッシュさせたり、こころを落ち着かせる効果があると報告されています。香りも併せて味わうことで、さらなる効果が期待できそうです。
 お勧めの食べ方は、適当な大きさにカットしたリンゴを、砂糖とほんの少しの水で煮る煮リンゴです。熱を通すことで抗酸化作用が高まり、脳細胞の活性化物質の維持とともに生活習慣病の予防や老化防止にもつながるでしょう。





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