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シジュウカラはヘビを「ジャージャー」と言う

 同じ種類の鳥でも生活の場面によって音色の違う鳴き方をする。それは人間のように意味ある言葉を使うからではないか。そんな着想から野鳥の暮らす森で調査を続け、生き物の言葉を解明する「動物言語学」という新たな学問分野を創設するまでに至った著者。その道行きが軽快な文体でつづられている。本文内にあるほのぼのタッチのイラストも自ら描いた。
 研究対象は、森はもちろん都会でも見かけるシジュウカラ。白と黒のコントラストが目を引くスズメほどの大きさの愛くるしい姿の野鳥だ。
 「ジャージャー」と聞こえる鳴き声がヘビを意味すると確信し、証明するための実験を4年がかりで遂行した。スピーカーからその声を流し、ひもをつけた木の枝でヘビのくねる動きを見せると、本物と見間違い、対処の行動をとる。そのデータを84羽のシジュウカラから集めた。さらに彼らが単語をつなげて文をつくることも明らかにした。「ピーツピ・ヂヂヂヂ」は「警戒して・集まれ」という2語文だという。
 言葉の使用は人間だけと考えられてきた常識を覆し、世界の動物学者に衝撃を与えた。太古の人間は「鳥語」に頼って共生していたが、いつしか忘れ、自然は利用するだけの存在になった。それが数々の環境問題につながっている。鳥の言葉を知ることで、自然との向き合い方を見直してほしい。その思いの一環で本書を著したと述べている。
 巻末にシジュウカラの言葉が聞けるQRコードを掲載。

小学館 1,870 円(税込)

鈴木俊貴 著
東京大学准教授。動物言語学者。
1983年東京都生まれ、日本学術振興会特別研究員SPD、京都大学白眉センター特定助教などを経て現職。文部科学大臣表彰(若手科学者賞)、日本生態学会宮地賞、日本動物行動学会賞、World OMOSIROI Awardなど受賞多数。シジュウカラに言語能力を発見し、動物たちの言葉を解き明かす新しい学問、「動物言語学」を創設。愛犬の名前はくーちゃん。本書が初の単著。


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