デジタル・デトックス/情報社会のメンタルヘルス<1>
今回から4回にわたり「情報社会のメンタルヘルス」をテーマに連載を進めていきます。初回は情報機器とストレスの関係を見ていきましょう。
バランスのとれた共存関係をつくるため
日々進化し続けるテクノロジーですが、健康への影響も懸念されています。その代表が「テクノストレス(別名ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル〈VDT〉症候群)」。これは、パソコンやスマートフォンなどIT機器の使い過ぎにより生じる心身の不調を指します。眼精疲労や肩こ り、頭痛などの身体的な症状だけでなく、自律神経失調症やうつ病のような精神的な症状が現れる可能性もあります。またスマホやパソコン画面から発せられる光はとても強く、質のよい睡眠を妨げるという研究結果も報告されています。
アメリカ心理学会(APA)が私たちとテクノロジーとの関係性について行った調査によると「携帯電話を頻繁に確認している人はそうでない人よりもストレスを強く感じていた」とのことです。四六時中、携帯をチェックしている人の半数近くがソーシャルメディア上でのやり取りによって自らのストレスが引き起こされると答えました。
そしてこの調査で6割以上の回答者が「意味があると思う」と答えたのが「デジタル・デトックス」でした。一時的にIT機器から離れ、ネットを断ち、SNSやメールなどと距離を置くこと。ただ、そのうち実際に試したことがある人は全体の3割弱にとどまっていました。
スマホ依存、ネット依存、テクノストレスは緩和が必要で、そこに役立つのがデジタル・デトックスです。一時的に情報機器から離れ、脳や体のバランスを整える。質のよい睡眠がとれるよう就寝前の時間に試し、その時間を最初は15分、次は30分というように徐々に長くしていくなどの方法から始めてみるのがいいでしょう。
政府がデジタル庁を設置した例からもわかるように、ITは生活に欠かせません。ストレスが生じるからと完全に排除するのではなく共存できる関係をつくっていきたいものです。
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