顕著な高温でも死亡者減へ

政府関係者会議 熱中症対策行動計画改定

 環境大臣を議長とする政府の関係者会議が2022年4月に開かれ、昨年に策定されていた「熱中症対策行動計画を改定した。地球温暖化が進行し夏の気温上昇が予想される中で、熱中症は国民生活に直結する深刻な問題であると考え、一層の対策強化を図っていく。

 昨年の熱中症による死亡者数は701人(概数)だった。年間1000人以下としていた改定前の中期目標は単年では達成できたことになる。だが、同年8月中旬の気温は低く、5年移動平均で見ると依然1000人超の上昇傾向にあることから、目標に含まれていた「顕著な減少傾向に転じさせる」には至っていないと判断された。
 そうした前年の検証結果などを踏まえ、今回の改定でも中期目標の死亡者数年間1000人以下は残し、新たに「顕著な高温が発生した際に、死亡者数を可能な限り減らすことを目指す」の1項を加えた。
 この項を追加した背景には地球温暖化の進行がある。今回の行動計画でも2021年6月に記録したカナダ西部の49.6℃という最高気温の例を示し、その際の熱波発生時期1週間の熱中症の死亡者が526人に達したと記している。顕著な高温の対策は「重点対象分野」にも加えられ、上昇する危険度の適切な把握や事前計画の策定などを進めていくとした。

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