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2025年の「暑すぎる夏」を解説!3年連続の高温を気象庁が分析

この記事のポイント

2025年夏(6~8月)の平均気温偏差は過去最高を記録
地球温暖化がなければ2025年夏の記録的高温はほぼ発生しなかった
昨夏の暑さは温暖化の進行する状況下でも数十年に一度の発生頻度だと推定

 2025年夏の高温や同年7月の少雨などについて異常気象分析検討会を開いた気象庁は同年 9月、それらの特徴や要因をまとめた結果を公表しました。2025年夏(6〜8月)の平均気温偏差はその前年と前々年の記録を大幅に上回り、3年連続で最も高い値になりました。地球温暖化が進行していなければ今回の高温は ほぼ発生しなかったというシミュレーション結果も示しています。

偏西風が北側に流れ日本付近の高気圧が強まった影響も指摘

 2023年と2024年の夏の平均気温偏差はともに+1.76℃で、1898年以降で1℃を超えたのは2010年の+1.08℃の1度だけでしたが、その記録を大きく塗り替えていました。
 しかし2025年夏はさらに高温になり、+2.36℃と2℃を超え、3年連続の歴代1位となりました。日最高気温が35℃以上の猛暑日や、同40℃以上の延べ地点数も過去最多となり、群馬県伊勢崎では国内の歴代最高気温になる41.8℃を観測しました。
 梅雨明けの時期についても東北地方以外は6月中で、多くの地方で過去最も早い記録になり、それにともない6月後半から猛暑日が見られるなど季節進行も早くなりました。また7月は日照時間が多く、日本海側を中心に降水量が極端に減少しました。
 これらの要因には、地球規模で気温が高い温暖化の影響のほか、偏西風が平年より北側に流れたことで日本付近の高気圧が強まったなどの大気の状態が指摘されています。
 今回の気象状況に地球温暖化がどの程度影響したのか、気候モデルによるシミュレーション結果も公表され、温暖化していない環境下ではこの記録的高温はほぼ発生しないことがわかりました。ただし、 温暖化の進行する2025年現在の条件でも、昨夏の暑さは数十年に一度の発生頻度だと推定されています。
 温暖化にともなう気温上昇率にも触れ、日本の夏の平均気温の2024年までの30年は10年当たり0.5℃の上昇で、これは同0.13℃増とされる長期変化傾向に対し約3.8倍になるとしています。

夏の平均気温偏差は記録を大幅に更新し最も高くなった
国内の歴代最高気温となる41.8℃を観測(群馬県伊勢崎)
猛暑日と日最高気温40℃以上の延べ地点数がともに歴代最多
多くの地方で過去最も早く梅雨が明けるなど季節進行が早い
地球温暖化がないと仮定した場合、2025年夏の高温はほぼ発生しない

※気象庁発表データをもとに作成。

平均気温偏差

気象庁では日本全体の気温の経年変化などを示す際、実際の平均気温ではなく、都市化による影響の変化が比較的小さい地点から、地域的に偏りなく分布するよう選定した15地点における気温データの平年(1991〜2020年の30年平均値)との差の値(偏差)を用いている。南北にわたる日本の国土においては広い地域の気温を一概に測定 するのは困難で、算出できても寒暖のばらつきを平均したものが日本の気温を代表するものとはいえない。そのため平年の状態からのずれを算出し、指標としている。

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※本記事は環境市場新聞83号(1面)記事を掲載しています。

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