2024年の平均気温、日本・世界ともに過去最高を観測
この記事のポイント
2024年の日本の平均気温は1898年の統計開始以来もっとも高温
2024年の世界の平均気温も1891年以来もっとも高温
2024年の平均気温がパリ協定の目標である+1.5℃を超過
2024年は観測史上で最も暑い1年となったことを、日本や世界の関係機関が伝えています。
気象庁は2025年1月に、「2024年の日本の平均気温が平年(1991〜2020年の30年平均値)を1.48℃上回り、1898年の統計開始以来もっとも高温になった」と発表しました。これは平年プラス1.29℃を記録した2023年を超え、2年連続の最高値更新となります。続いて公表された世界の年平均気温も平年を0.62℃上回って1891年以来もっとも高く、国内同様に2年連続の記録更新となっています。
【図】年平均気温偏差(℃)の推移

また気象庁とほぼ同じタイミングで世界気象機関(WMO)も2024年の世界の平均気温が産業革命前の水準を1.55℃上回ったと発表しました。これは日本の気象庁、欧州中期予報センター(ECMWF)などの6つのデータに基づいて分析した結果であり、気候変動対策の国際的ルールであるパリ協定の目標である1.5℃を単年として初めて超えたことになります。
EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」も同時期に発表を行い、2024年の世界平均気温は15.1℃だったと伝えています。これは前年を0.12℃上回る1850年以降の最高値で、産業革命前の水準からは1.6℃高くなっています。
パリ協定の目標は単年の気温ではなく20年ほどの平均で判断するとされていますが、今回の結果は各界に大きな衝撃を与えました。
2020年以降の気候変動問題に関する国際的な枠組み。2015年にパリで開かれた「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」で世界共通の目標が決められ、合意された。
パリ協定で合意となった長期目標
世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃よりも十分低く保ち、1.5℃に抑えるための努力をする。
そのために、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる。
※本記事は環境市場新聞80号(2面)記事を編集して掲載しています。

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