政府、花粉症に初期集中対応

スギ伐採の重点区域設定や飛散予測など

 政府は2023年10月、花粉症対策の関係閣僚会議を開き「初期集中対応パッケージ」を閣議決定した。同年5月に、30年後の発生量半減などの目標を掲げた「花粉症対策の全体像」をまとめていたが、想定期間の初期段階から実施すべき取り組みを示し、着実な実行に移していく考え。
 花粉の発生源になるスギ人工林は10年後に約2割の減少を目指していたが、今回は伐採や植え替えを重点的に進める区域の設定を決めた。人口の多い都市部周辺が想定され、そのための森林作業道など路網整備も推進する。伐採したスギ材の需要拡大のため国産材を利用した住宅の表示制度をつくるといった施策も示した。
 花粉の飛散予測に特化した三次元の気象情報をスーパーコンピュータや人工知能(AI)の活用により作成し提供する体制も目指す。治療対策では、体質改善で症状を弱める舌下免疫療法の治療薬の供給量を2025年に現在の年間25万人分から50万人分へ倍増する生産体制も構築する。

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