おばあちゃんの家庭菜園

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北の大地の幻の山菜「行者ニンニク」の育て方|おばあちゃんの家庭菜園

こんにちは。おばあちゃんです。
皆さんは「幻の山菜」とも呼ばれる行者ニンニクをご存じですか?北海道では身近な野菜ですが、それ以外の地域では知名度があまり高くはありません。けれど一度食べると病みつき!という方も多く、近年では北海道以外でも生産者が増えつつあります。「ニンニク」と名前についていますが、植物の種類としてはネギの仲間。ニンニクに似た匂いがすることと、「修行僧が強壮のために食べていた」とされることが名前の由来だそうです。醤油漬けにして食べるのがよく知られていますが、お浸しや天ぷらなどさまざまな調理方法で食べることができます。
行者ニンニクを手に持って、ニンニクじゃなくてネギの仲間なのねと思っているおばあちゃん
まずは苗を選ぶところから。苗を買うときは、生育年数が明記されているかを確認し、ある程度育った苗(5年以上)を選ぶようにしましょう。行者ニンニクは種から育てると収穫まで5~8年ほどかかります。充分に育った苗を選ぶと効率的です。また、傷んでいないか、太く健康かどうかも注意して見るようにしましょう。

植え付けは12月から4月頃まで行うことができますが、元々寒冷地の作物なので、温暖な地域で育てる場合は冬の間に植え付けるのがよいでしょう。栽培はプランターでも可能です。土は排水性がよいものを用意します。石灰や油かすなどを混ぜた有機質の多い土づくりが大事。市販の培養土に腐葉土を混ぜたものでも問題ありません。午前中から昼頃にかけて日があたるような半日陰の場所が適しています。西日が当たらないように注意してください。

植え付けの間隔は15cmほど。苗の先端が2~3cm出るように植えていきます。乾燥を嫌うので、水やりはたっぷりと。春と秋には追肥をしましょう。夏場の強い直射日光には特に注意。直射日光が当たってしまう場合は遮光ネットを貼ったり、別の植物・鉢植えの日陰になるように配置を工夫してくださいね。
※植え付け1年目は収穫できません!翌シーズン(12月に植え付けた場合、翌々年)の春までじっくり栽培しましょう。

収穫時期は4~5月です。葉が2枚の株を、柔らかい若葉の時期に収穫します。根本を2~3cm残してハサミでカットすれば、株が弱りません。翌年も芽が生える場合が多いので、もう1年育てましょう。葉が3枚のものは花を咲かせる株です。そのまま育てれば種が収穫できるため、数を増やすのに挑戦してみるのもよいですね。なお葉が1枚の場合は、収穫してしまうと根が死んでしまいます。その年は収穫を我慢しましょう。

植わっている行者ニンニクから、葉が2枚のを収穫しているおばあちゃん

ちなみに、数を増やしたいなら株分けがおすすめ。葉が枯れ始めた8月下旬から9月頃に、根を切らないように掘り起こします。いくつかまとまっている状態から一つずつ手で割ったら、1株ずつ改めて植え付けします。株分け後はたっぷり水をあげましょう。このように株分けを繰り返していくと、簡単に数を増やすことができます。種から育てるのが大変な作物なので、継続的に栽培したい場合はぜひ試してみてくださいね。

収穫した行者ニンニクは冒頭でご紹介したように醤油漬けにすると長期保存ができますよ。そのほか、香りと風味を活かして、野菜炒めや餃子の具にしてもおいしく食べることができます。独特の匂いは強い殺菌力のある「硫化アリル」という成分。疲労回復効果のあるビタミンB1の吸収を助ける働きもありますので、豚肉と一緒に炒めると効果的に吸収できますね。
「北海道旅行で食べた行者ニンニクが忘れられないのに、地元では売ってない!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。自宅で栽培できれば「幻の」山菜から「定番の」山菜になるかも!ホームセンターなどで苗を見つけて、ぜひ育ててみてくださいね。


@おばあちゃん



他にもこんな『エコな知恵』をご提供いただきました

「スーパーで保冷のためにもらうビニール袋に入れた氷は、食用ではないのでバケツにあけて溶かしておきます。しばらく溜めておけば花の水やりに使えます。」

@ペンギンちゃんさん

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