一級河川の96% 環境基準クリア

国交省 2023年 水質調査結果

 国土交通省は2024年7月、全国一級河川の水質調査結果(2023年分)をまとめた。河川愛護月間とされる7月に毎年公表している。
 一級河川の中で国の定める環境基準をクリアした地点は890のうち857で、96%に達した。湖沼など(海域を含む)では103地点のうち46で45%の達成率だった。
 水質汚染の指標であるBOD(生物化学的酸素要求量:1面用語解説参照)の年間平均が0.5ミリグラム/リットル(報告下限値)になるなどの条件を満たす「水質が最も良好な河川」に認められたのは17河川。そのうち荒川(福島県)、川辺川(熊本県)、五ヶ瀬川(宮崎県)は10年以上連続で良好な河川に認定されている。
 過去10年で水質が大幅に改善している地点も公表した。1位は淀川水系猪名川の利倉地点で、2013年のBOD年間平均値が7.8だったのに対し、2023年は2.4にまで改善した。
国交省では、調査結果に加え関連情報などを掲載したパンフレットも作成している。

環境を読み解くことば 「BOD」
BOD生物化学的酸素要求量(Biochemical Oxygen Demand)の略。
 水質の汚染度を示す指標の1つで、単位は通常ミリグラム/リットル(ppm)。微生物が水中の有機物を分解するのに必要な酸素の量を表し、汚染が進んでいるほど数値は高い。BODが高いと魚類などの水生生物が必要とする酸素が欠乏しやすい。BOD3ミリグラム/リットルを超えると一般の浄水処理方法では上水道水源としての利用が困難になる。コイやフナが生息できるのは5ミリグラム/リットル以下とされる。10ミリグラム/リットル以上の河川では悪臭が発生し始める。

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