カーボンニュートラル関連10の国際会議

気候変動問題解消へ集中開催東京GXウィーク

 産業構造や社会システムの変革GX(グリーントランスフォーメーション)(ページ下部に用語解説) を目指す経済産業省は2022年9〜10月、カーボンニュートラルに向かうエネルギー・環境関連の国際会議を集中開催した。各国閣僚や世界の有識者を含む合計1万3000人以上がオンラインおよび対面で参加した。

 「東京GXウィーク」と題して10の国際会議が開催された。日程は昨年9月26日から10月7日。
 初日は、アジアでのエネルギー転換などを議論した「第2回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合」、二酸化炭素(CO2)の資源活用がテーマの「第4回カーボンリサイクル産学官国際会議」、そして「第5回水素閣僚会議」の3つが開かれた。水素閣僚会議では2030年に向け環境配慮型の水素の生産量を9000万トンにする目標を示している。
 次は同28〜30日の3日間に1日1会議の開催。日程順に「第2回燃料アンモニア国際会議」「第11回LNG産消会議」「第2回アジアCCUSネットワークフォーラム」を開いた。低炭素アンモニア製造開発に関する日米企業間の協力覚書の締結、エネルギー安定供給の観点で注目されるLNGの今後の市場見込みについての議論、東南アジア諸国連合(ASEAN)でのCCUS(CO2の回収・有効利用・貯留)パイロット事業の発表などが行われた。
 残る4会議は翌10月の5〜7日に開催。5日は「第4回TCFDサミット」と、翌日まで2日間開いた「第9回ICEF」。気候変動関連の情報開示の枠組みであるTCFDの活用に向け議論したサミットでは、金融に中長期的視点、企業に情報開示の強化を提言。2050年カーボンニュートラルに向けたイノベーション創出について議論したICEFでは、技術革新のロードマップ概要などを公開した。6日開催の「第4回RD20(リーダーズ・セッション)」は19の国・地域のクリーンエネルギー分野の研究機関トップらが国際連携の強化に向け議論。最終日の「第1回国際GX会合」は世界のGX実現についての初めての会合で今後の課題などを確認している。
 経産省は各会議の議論を受け世界規模でのGX前進に努める意向だ。


GX(グリーントランス フォーメーション)
これまでの化石燃料に依存してきた社会から温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーを軸とする産業構造や社会システムへ変革を図っていく取り組みのこと。
国際GX会合後に発表されたサマリーでは「エネルギー危機の顕在化や気候を巡る状況が変化する中で、社会システムをクリーンエネルギー中心へと変革し、排出削減と経済成長を両立すること」と定義している。

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