環境トピックス

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環境省2023年度調査 世帯当たりの排出量が2017年度比で22.8%減少 

この記事のポイント

世帯当たりの2023年度のCO2排出量は2017年比で22.3%減っている
減少の主な要因はCO2排出係数の低減にある
CO2排出量のエネルギー種別構成比では電気が全体の約7割を占める

減少の要因は電気の脱炭素化など

 環境省は2025年6月、家庭部門の二酸化炭素(CO2)排出実態統計調査の結果(2023年度確報値)を公表しました。1世帯当たりの年間排出量は、正式な調査を開始した2017年度の3.20トン-CO2(以下、トン)から22.8%少ない2.47トンになりました。要因としては、消費エネルギーの多くを占める電気のCO2排出係数が脱炭素化の取り組みが進んだことにともない低減している点などがあげられます。

 調査は2023年4月〜2024年3月の1年間の数値をもとに行われました。1世帯当たりの排出量は前年度の2.59トンからも0.12トン(4.6%)の減少が見られます。またエネルギー種別の構成比は、電気が67.6%(1.67トン)、都市ガスが14.6%(0.36トン)、LPガスが5.7%(0.14トン)、灯油が12.1%(0.30トン)で、電気が約7割を占めています。
 この調査では排出量減少の要因分析も行われています。2017年度から2割強少なくなっている減少量に大きく寄与したのは、電気のCO2排出係数 低減のほかにも、省エネの進展や平均世帯人数の減少もあります。調査を開始した年には1世帯2.39人だったのが2.17人になっており、それにともない 排出量も減っています。そのほかコロナ禍を経た生活様式の変化や年ごとに変動する気温、エネルギー価格によって変わる消費量も要因とされています。
 

※環境省発表資料をもとに作成。

要因前年比2017年度比
電気の排出係数▲0.05▲0.28
気温変化▲0.01▲0.10
コロナ禍▲0.03+0.01
エネルギー価格+0.02▲0.08
省エネ・世帯構成など▲0.05▲0.28
合計
(減少率)
▲0.12
(▲4.6%)
▲0.73
(▲22.8%)
※環境省発表資料をもとに作成。

冬季のCO2排出量が最も多く、年間の45%を占める

 地方別で世帯当たりの排出量が最も多かったのは灯油使用の割合が大きい北海道で4.14トン。最も少ないのは九州の1.65トンです。世帯年収の比較では収入が多くなるほど排出量も増える傾向があり、250万円未満の世帯が1.74トンなのに対し2000万円以上では4.26トンと2.4倍になっています。また排出量の季節変化も集計しており、冬季に増加することが判明。なかでも1月が最大で、12〜3月に年間の約45%が排出されています。

 あわせて調査が実施された「省エネ行動」については、あらかじめ提示された20行動の中で実施する割合が多いものとして上位3項目があげられています。
①冷蔵庫を開けたままにしたり、むやみに開閉しないようにしている(88%)
②エアコンの室外機の吹き出し口に物を置かないようにしている(86%)
③短時間でも場所を離れるときは消灯を心がけている(79%)
調査は全国10地方の1万3000世帯を対象に実施され、有効回答率は71.5%となっています。

CO2排出係数

電力会社が電気をつくる際にどれだけのCO2を排出するかを示す値。単位は「〇〇kg-CO2/kWh」で、1キロワット時の電力に対する排出量を表す。通常、使用した化石燃料などの数量から排出量を算定し、販売電力量で割って求める。
電力各社は脱炭素化を進めており、排出係数は低減傾向にある。家庭の排出量算出に利用した全国平均の電気の排出係数は2017年度が0.500で2023年度は0.427だった。

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※本記事は環境市場新聞82号(1面)記事を掲載しています。

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