リチウムイオン電池、重大火災事故「ゼロ」へ
この記事のポイント
リチウムイオン電池には発火のほかにも、再資源化の課題がある
目標は、2030年までに重大火災事故ゼロとリサイクル体制の構築
リチウムイオン電池を正しく使うための「3つのC」
関係省庁連携で総合対策。再資源化も
2025年12月、環境省、経済産業省、消防庁などの関係省庁が連携して、リチウムイオン電池に関する総合対策パッケージを取りまとめました。頻発しているリチウムイオン電池が原因となった火災への対策のほか、製品に含まれる重要鉱物資源の回収・再資源化も重要課題として対策が進められます。2030年までに重大火災事故ゼロをめざし、国内に十分なリサイクル体制を構築するという目標を掲げました。
小型で軽量であるにもかかわらず容量が大きいなど、優れた点があるリチウムイオン電池は、スマートフォンなど身の回りのものに広く使われています。しかし、強い衝撃や高温環境に弱いため発火の恐れもあります。また、製品には特定国からの輸入に依存している重要鉱物資源(リチウム、コバルト、ニッケル)が含まれています。しかし、十分な回収ができていないこと、回収されても国内での再資源化が進んでいないのが現状です。それらに対し政府は、関係省庁による連絡会議を設置し、総合的な取り組みを進めています。今回の取りまとめもその一環です。
本取り組みでは製造時、使用時、廃棄時など各場面での対策を掲げています。そのうちの周知啓発の施策で国民と事業者への呼びかけとして挙げたのが「賢く選ぶ」「丁寧に使う」「正しく捨てる、そして資源循環」です。これらの英語の頭文字をとった「3つのC」が、私たち消費者がリチウムイオン電池を使用する際のキャッチフレーズとして掲げられました。
リチウムイオン電池の「3つのC」
| 賢く選ぶ Cool choice | 丁寧に使う Careful use | 正しく捨てる、そして資源循環 Correct disposal with better recycling |
| ①購入前に、販売事業者の連絡先や製品情報、リコール情報を確認する ②PSEマークやリサイクルマークが表示されているか確認する ③非純正品については取り付けようとしている製品のホームページに注意喚起が掲載されていないか確認する ④購入時に廃棄の方法を確認する | ①強い衝撃や圧力を加えない ②高温になる場所では使用・保管しない ③安全な場所で、目の届くところで充電する ④異常を感じたら使用を中止する ⑤発火した時はまず安全を確保し、消火器や大量の水で消火する ⑥リコール情報を確認する ⑦公共交通機関では、持ち込みルールを守るとともに、留意事項を確認する | ①リチウムイオン電池使用の有無を確認する ②廃棄する前には電池を使い切る ③廃棄方法(メーカー回収や地方公共団体の回収区分)を確認する ④リサイクルされる廃棄方法を選択する |
リチウムイオンがプラスとマイナスの両極間を行き来して放電と充電を繰り返す蓄電池(二次電池)。短時間の充電で長い時間使用できる。たまるエネルギーの密度が高いため小型化しやすくモバイル機器の普及を助けた。スマートフォンやモバイルバッテリーのほか携帯用扇風機、電動アシスト自転車、コードレス掃除機、加熱式たばこなど幅広い製品に使われている。
さまざまな工業製品の原材料として暮らしや経済を支える重要な鉱物資源のことで、クリティカルミネラルという。リチウム、コバルト、ニッケルのほか、レアアース(希土類金属)やウラン、タングステンなど数多くの鉱物がこれに該当する。これらの鉱物は特定国への依存度が高いため、その安定供給確保が大きな課題となっている。
※本記事は環境市場新聞84号(1面)記事を掲載しています。























































