CO2濃度最高値を更新-世界気象機関2018年解析値公表

気象庁は2019年11月、世界気象機関(WMO)の発行する「温室効果ガス年報第15号」において二酸化炭素(CO2)など主要な温室効果ガスの2018年の世界平均濃度が観測史上最高を更新したと発表した。

 大気中の温室効果ガス濃度などを伝えるこの年報は、気象庁が運営する「温室効果ガス世界資料センター(WDCGG)」によって世界中で観測されたデータが収集・分析され、その結果などをもとに作成される。
 最高値を更新した3種の主要な温室効果ガスのうち最も大きな比率を占めるCO2濃度は407.8±0.1ppmで、前年から0.57%(2.3ppm)増加した。産業革命前の約278ppmと比較して147%に拡大している。年報ではその原因を「主として化石燃料の燃焼とセメント生産及び森林伐採とその他の土地利用変化からの放出による結果」とし、その根拠に放射性炭素の測定による分析結果を示している。
 CO2に次ぐメタン(CH4)の濃度は1869±2ppb(「ppb」は大気中の分子10億個中、「ppm」は同100万個中にある対象物質の個数を示す単位)。前年から0.54%(10ppb)増加した。工業化以前は約722ppbで、その259%に達している。3つ目の一酸化二窒素(N2O)の濃度は331.1±0.1ppb。前年から0.36%(1.2ppb)増加。工業化以前は約270ppbで、その123%になった。

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