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  • 東日本大震災から復興への歩みをみせる被災地の企業や日本テクノの取り組み

地震発生後に全員の無事を確認 Scene 60

 2024年1月1日、元日の夕暮れに石川県を襲った令和6年能登半島地震。最大震度7を観測し甚大な被害が出た今回の地震では、半年以上過ぎた今も道路や水道などインフラ、家屋の復旧工事が進んでいない地域もある。いち早い復興が望まれる。

 日本テクノにも石川県金沢市に拠点がある。営業所の天井パネルが落下する被害が出たが、所属する10人の従業員は全員が無事だった。また、該当エリア所属の日本テクノ協力会・日電協に所属する技術者15人の安否も保安部社員が一人ひとり電話で確認をとっている。拠点のない福井県の顧客を受け持つ京都エリア所属の技術者2人に対しても念のため連絡を入れた。

 「お客様が心配だ」と駆けつけようとする技術者もいたが、地震発生直後は被災エリアへ立ち入ると二次災害の危険性があり、救助活動の妨げになることも考えられる。技術者の身の安全のためにも、状況が落ち着くまで現地入りは控えるよう周知も行っている。


 1月4日の仕事初めは顧客の被災状況の確認を優先した。営業部、技術サービス部、保安部が総出で1件1件電話をかけ、奥能登エリアの客先のうち10件で営業ができないなどの実態を把握した。キュービクルの基礎がずれる、冷蔵庫や生産設備の転倒などその他機器の損傷、断水といった被害による影響だった。

 営業部社員は立ち入り制限が緩和された後、可能な範囲で各顧客を訪問し現地で状況を確認しつつ電気保安の立場から、復旧の一助となれるよう尽力した。そうして、休業を余儀なくされた10件のうち8件は地域の復旧とともに3月までに順次営業を再開した。だが残念ながら1件は建屋の倒壊などにより工場が閉鎖された。残る1件もまだ再開のめどが立っていない。

 元日の震災という特殊な状況。帰省や旅行により県外に滞在している従業員も多かったが、地震の規模があまりに大きいこともあり、関東や関西など離れた場所にいる管轄部署の責任者も安否確認を直接指示。該当地域の従業員も各自が携帯電話で連絡を取り合い、地震発生から3時間以内に全員の無事が確認された。

 

地震の揺れにより金沢営業所の天井パネルが落下した。

 金沢営業所の防災責任者は「今回のような年末年始は普段の休日とも状況は違います。また就業中でも外出中か社内にいるかで対応は異なります。あらゆる場面の想定が必要だと改めて感じました。また、従業員一人ひとりが自身の状況を会社へ報告する意識を持つよう日頃から周知していましたが、緊急時のやり取りでスムーズに伝達できなかった点も浮かび上がりました。今後改善を図るよう検討中です」と振り返る。この経験を踏まえ、これからの防災対策に生かしていきたい考えだ。

 

 日本テクノでは災害の発生数の増加と激甚化に伴い、従業員の身の安全を守るために防災備品の拡充に会社全体で取り組んでいる。現在、非常食は常に従業員の人数分を確保しているが、簡易トイレや懐中電灯、ラジオなどその他の備品についても備蓄を進めている。
 従業員への安全配慮は事業継続において要であり、非常時に顧客電気設備の保安を担えるか否かに直結する。今後も防災対策の拡充を図り、どんなときにも電気に関するトータルソリューションを提供できるよう体制を整えている。



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