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  • 東日本大震災から復興への歩みをみせる被災地の企業や日本テクノの取り組み

苦難はすべて試練、受け止めて生きていくScene 43

「ちょうど娘の結婚式でハワイに行っているときでした。挙式後の食事の際、携帯にメールがきたんです。そこには泥だらけの社用車や作業場の写真があった。ショックのあまり声も出ませんでした」と小久保鉄工株式会社(埼玉県川越市)の社長・小久保高広さんは話す。
川越市は昨年10月13日、台風19号の影響で未明に越辺川などが氾濫、大きな被害があった。鉄骨の溶接・加工を行う同社でも約1.2mの浸水があり、周辺は立ち入り禁止となった。
社長不在の折、どうにか電気だけでも復旧できないかと考えたスタッフに、小久保さんは日本テクノの緊急連絡先を伝えた。水が引いた翌14日には担当技術者が駆けつけ、浸水したキュービクルを半日がかりで洗浄して乾燥させ、なんとか通電できたという。

復活したバンドソーの前で「ここまで水が来ました」と示す社長の小久保高広さん

 「帰国後に調べた結果、トラックと軽自動車は廃車、コンプレッサーと溶接機は電源が入らず、予備の電源装置も駄目になっていました。ただ鉄骨を切るバンドソーはよく乾燥させたら使えそうだったので不具合の出た部品を交換し、再利用しています。これは高い機械なので助かりました」。
 台風による休業日数は約10日、被害総額は1000万円を超えた。台風19号の被災事業者には政府から助成金が支給されるが、新たな借金を抱えるのは避けられない。しかも、以前に受けていた融資の返済が今年5月に終わるところで、返済のめどがたち少し気が休まると感じはじめた矢先の出来事だった。

水没した手前のコンプレッサーから新品に買い換えた

 「それでも、私の好きな元メジャーリーガーの松井秀喜さんは〝ほっとした瞬間から人間はダメになっていく〞と言っているそうです。多少の苦難は試練だと捉え、まだまだ頑張って事業に取り組みます」という小久保さんの言葉を受けたように台風直後から新たな仕事が舞い込み、現在は忙しい日々が続いている。
 「心配して電話をくれた取引先も最後は〝でもなるべく早く納品してね〞って言うんです」と話す小久保さんの表情は明るかった。

こぼれ話

娘さんの結婚式でハワイにいたという小久保社長。本文にも書きましたが、結婚式が無事に終わり、ほっとしたタイミングで届いたのは衝撃的な画像でした。小久保社長は翌日以降の観光ツアーなどをキャンセルし、早々に帰国したそうです。
実はこの事故の前に、電気設備の保安管理を担当する技術者さんからのアドバイスで停電波及防止を図るPAS(気中負荷開閉器)を交換していました。「交換してなかったら、周辺一帯を停電に巻き込んでいたよ」と聞き、交換しておいてよかったと思った小久保社長でした。

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