呉市立長迫小学校 舞台やテレビ放送で学習成果を発表
広島県南西部、瀬戸内海沿いの温和な気候に恵まれた呉市。その呉市の中央に位置する市立長迫小学校は全校児童134名の学校。同校では6年間にわたり、エネルギー環境教育に注力してきた。
長迫小学校のエネルギー環境教育のキーワードは「楽しく、ダイナミックに」。昨年度も年間を通して発電所やごみ焼却場、浄水場の見学、外部講師を招いての地産地消学習、梅干やたくあんなどのエコ保存食づくりなど、さまざまな体験授業を実施した。さらに学習内容は必ず何らかの形で情報発信する。これは再学習の機会を得るとともに、伝える力・表現力を高め、各学年での学習を校内全体で共有することにもつながる。
広く発表の機会を
太陽の熱を生かす室内断熱の工夫やしょうがを使ったエコクッキングなど、劇中で紹介される知識はすべて、これまでのエネルギー環境教育で学習してきたもの。”もったいない隊”も実際に取り組んでいる電気や水の無駄づかい防止を呼び掛ける児童会活動だ。これまでの学習成果がセリフや歌、ダンスなど全身を使って表現されていた。他学年の児童からも「省エネのやり方がわかりやすい」「家でもやってみようと思った」などの感想が聞かれた。
一方、6年生の教室では2時間目の休み時間から昼の校内テレビ放送に向けた準備が進んでいる。同校では毎日、給食の時間に「長迫お天気ステーション」という天気予報の生番組を放送している。6年生は理科の授業で天気図の読み取り方を習う。気象予報士を招いての特別授業や、各地の異常気象の様子を調べ地球温暖化についても学んでいる。放送を担当する児童は校庭で気温や風向を計測し、天気図の気圧配置、前線、等圧線から翌日の天気を読み取る。さらに校区の北側にある灰ケ峰にかかる雲の状態も観察して、まさに地域密着型の天気予報番組をつくり上げていく。
天気にからめてその日の校内の電気使用量や目標も伝える。「天気のいい日には外で遊ぶことを勧めて省エネを呼び掛ける」「聞き取りやすいようにゆっくり話す」など毎日の工夫も忘れない。撮影では、各児童がキャスターやリポーター、カメラ、音声など役割を分担する。
学んだ内容は楽しい活動で生活に生かす
発表の場は学校外にも
さらに発表の場は校内だけにとどまらず、昨年度はNHK広島放送局でエネルギー環境教育の内容を伝える放送体験に挑戦。東京ビッグサイトで開催された「低炭素杯2014」ではグリーンカーテン育成の様子を発表して最優秀地域エコ活動賞を受賞するなど、外部への発信も積極的に行ってきた。
寺田さんは「発表は表現力を養うだけでなく、環境への取り組みを生活の中の実践力へとつなげます。また子どもたちの自尊感情も高める」とその効果を話した。
こぼれ話
4年生の授業では、環境教育の一環として保存食の「たくあん」作りが行われました。使う大根は子どもたちが学校の菜園で丹精こめて育てたもの。その大根を前日から太陽の下で乾燥させて下準備。
大根を漬ける樽の中には、長期保存に必要な塩とともに、米ぬかや果物の皮を乾燥させたものも入ります。
大根が米ぬかに含まれるビタミンやミネラルなどの栄養を吸収して、さらに、ミカンやリンゴ、柿などの果物の皮を入れることで、たくあんに自然の甘みや風味が加わるそうです。 普段何気なく食べているたくあんも、作る過程を知ると、とても奥深いもの。昔ながらの保存食であると同時に、電気やガスを使わないエコクッキングの代表であり、普段は捨ててしまうことの多い食材の再利用にも役立つ、本当にエコな食品です。
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