【環境関連の組織・機関】第10回/国連教育科学文化機関(UNESCO)

 今回は日本が第二次世界大戦後に初めて加盟した国連機関。これを契機に戦後日本の国際社会への復帰が進んでいったとされる。人と人、国と国の相互理解を促進し平和と安全を目指す組織。世界自然遺産や生物圏保全など環境関連の事業も多数推進している。
※本記事は環境市場新聞第70号(2022年10月発刊)に掲載されたものです。


教育、科学、文化の国際交流を促進
生物圏保全など環境事業も遂行

 教育、科学、文化を通じて諸国の交流を促進し、世界平和の構築につなげることを目的とする国連の専門機関。設立は1946年。その前年に採択されたユネスコ憲章に基づいている。略称のUNESCO(ユネスコ)は、正式名称United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization(国連教育科学文化機関)の頭文字を取ったもの。本部はフランスのパリ。193の加盟国と12の準加盟地域で構成される(2022年6月現在)。日本の参加は1951年。これは1956年の国連加盟よりも前のことだった。


 冒頭に記した教育、科学、文化と、その他関連分野で、国際規範の設定、専門家国際会議の開催、国際学術事業、情報交換、途上国支援などを実施。自然や文化を次代に引き継ぐための世界遺産、持続可能な学習分野となる生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)の事業なども行っている。
 組織は、各加盟国代表で構成され2年に1回開催する最高意思決定機関である「総会」、58ヵ国の政府代表で構成され年2回開催する「執行委員会」、そのもとに「事務局」を置いている。総会では執行委員を選出するが、日本は加盟以来継続してメンバーに選ばれている。
 事務局は、総会で任命された事務局長のほか約2000人の職員が在籍。現局長は第10代に当たるフランスのオドレー・アズレーさん。第8代は日本の元駐仏大使・松浦晃一郎さんだった。
 5つの事業分野(教育、自然科学、人文・社会科学、文化、コミュニケーション・情報)でそれぞれ局が設置され各活動を行う。内部監査部や広報部など部門をまたぐ部局と、人的資源や財務などの管理・運営担当局が横断的に組織を支える。また海洋の生態系や津波を含む気象関連の事業を行う政府間海洋学委員会(IOC)事務局なども置く。
 なお加盟国には、自国の関連団体にユネスコ事業への参加を促す機関の設置が求められており、日本では法律に基づき「日本ユネスコ国内委員会」が設置されている。


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