エコブックス

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優しくない地球でひとが生きのびるための80の処方箋|エコブックス

「自分はどうすればいい?」を解くヒント

 著者は社会学者。環境社会学の講義をする中で多くの学生が「初めて知った」「もっと早く知りたかった」と姿勢を正し、でも自分はどうすればいいかよくわからないと首をかしげた。そこで蓄えた知識や考えをまとめ、答えを解くヒントにしてもらおうと本書を著した。地球は人に優しくない。自然を征服したはずの人間が直面する気候変動という返り討ちから、みんなで「生きのびる」ために。
 ただし明瞭に指示する口調ではない。叙情を交えた随筆に近く、その文体で情報を緩やかに包み表現している。80の項目を原理編と実践編に分けて構成。前者には、おそらく学生たちが「もっと早く知りたかった」だろう関連知識を盛り込んだ。鉄鉱石の中の鉄の割合は多くて5割、採掘時に周囲の土も削るので1本の鉄骨をつくるにも大量の廃棄物が出る。地球上の物質の総量は変わらないから炭素量にも増減はない。多くは海底か土壌にあり、大気に浮かぶほんの一部の炭素の微量な増加が気候変動を起こしているといった情報だ。
 後半の実践編は、著者が行う取り組みの断片。プラスチック使用を減らそうと持ち手が竹製の歯ブラシを購入。自然エネルギー中心に供給する電力会社に変更しアンペアを下げる。「たまにブレーカーが落ちるくらいの契約にすると、節約を思い出せてちょうどいいかも」(229ページ)。
 各項目は数ページで短くまとめられ、気になった箇所の拾い読みでも「生きのびる」ための知恵を見つけられる。



亜紀書房 2,420 円(税込)

品田知美 著
社会学者。早稲田大学理工学部卒業。シンクタンクにて環境政策に携わった後、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。博士(学術)。城西国際大学福祉総合学部准教授を経て、退職後は駒澤大学・城西国際大学等で講義を続けるかたわら執筆活動に従事。関連する主な著作に長谷川公一・品田知美編著『気候変動政策の社会学ー日本は変われるのか』(昭和堂)、橋爪大三郎編著『驀進する世界のグリーン革命ー地球温暖化を越え、持続可能な発展を目指す具体的アクション』(ポット出版)などがある。また主著に『家事と家族の日常生活ー主婦はなぜ暇にならなかったのか』(学社)、『平成の家族と食』(晶文社)等がある。


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