気候変動の影響 把握と適応が必要
環境省 企業のリスク評価と開示の手法を提示
民間企業の環境対策を支援する環境省は2026年3月、「気候変動の物理的リスク評価の手引き」を公表した。副題は「気候変動適応で企業価値を高める」。どのような影響があるかを把握(評価)してその情報を開示する手法を示し、リスクに適応する必要性を説いている。
上場企業などに求められる情報開示の種類には各種財務データやガバナンス関連の報告などがあり、最近ではそこに、予測される気候変動リスクの評価も含まれるようになった。その評価や情報開示に必要な手法、ツール、データなどが紹介されている。
この手引きは、主としてそうした取り組みを行う企業の実務担当者を対象としているが、得られる知見は広く一般にも有用だ。情報開示の義務を負わない中小企業の関係者でも、取引先大企業の動向をうかがえる。
手引きは2つの章と参考情報で構成されており、必要に応じ拾い読みできるつくり。第1章「気候変動適応の重要性」では、夏の高温による熱中症増加のデータと求められる作業者への安全対策、大雨被害による事業活動の停滞など、気候変動による企業への影響を複数記載。そのリスクの評価と開示が、国際的な基準に基づいて義務化される動向も示している。
第2章「気候変動の物理的リスク評価の流れ」では、気候変動そのものに起因する危惧を「物理的リスク」としてその評価手順をフローチャート形式で解説している。要素を網羅的に洗い出したのち影響の大きいリスクを選定、個々のリスクが気温上昇シナリオの段階ごと(1.5℃や4℃など)にどの程度の損失コストや事業に占める割合になるか算出、リスクに応じた対応策の検討や実施――といった内容だ。
参考情報「取組の参考となるデータ集」では、これまで取り上げられることが多かった「水ストレス」「原材料調達」「暑熱」のリスクを対象に、評価ツール、データ、国内の情報開示事例などを紹介している。
「気候変動の物理的リスク評価の手引き」の構成
| 第1章 気候変動適応の重要性 1.1 企業における気候変動の物理的リスク・機会と対応 1.2 気候関連リスク開示のフレームワーク 1.3 企業経営における気候変動適応の取組の方向性 |
| 第2章 気候変動の物理的リスク評価の流れ 2.1 気候変動の物理的リスク評価のフロー 2.2 気候変動を含む企業経営リスクの整理 2.3 物理的リスク・機会の評価 2.4 情報開示 |
| 参考情報 取組の参考となるデータ集 3.1 評価ツール/データ 3.2 国内の開示事例 3.3 関連ガイド |
※本記事は環境市場新聞85号(2面)記事を掲載しています。





























































