広域機関 電力需給見通し 2022年2月など供給不足を懸念

 発電や送配電、小売りなどすべての電気事業者が毎年作成する今後10年間の供給計画をまとめ、需給の見通しなどを示す電力広域的運営推進機関(広域機関)は2021年3月、今年度分の取りまとめを経済産業省に提出した。
 計画期間最初の2年度(2021〜2022年度)は年間を通じた平均的な評価では供給力に一定の余力があるとした。だが月別の需給バランス評価では供給力不足の懸念される時期があると指摘している。
 需要を賄う供給力は一定の余裕(予備率)を持つことが必要とされる。発電所の不測のトラブルなどに備え安定供給の目安となる適正予備率は8%だ。それが2022年1月には東京エリアで7.7%、同年2月には、東京から九州にかけての広域エリアで5.8%になる。さらに同年の7月も東京で6.8%、中部〜四国のエリアで7.1%と逼迫する。過去10年で最も厳しい気象条件を想定したリスク分析では2022年2月に3%を下回るという予想も示されている。
 供給力が不足する主な原因は、2022年2月に1300万kW程度の補修停止が計画されるなど、需要が高くなる時期に発電量が減少すること。広域機関では、こうした厳しい状況を公表することで需給逼迫に対する備えを呼びかけるとともに、発電事業者に対する補修停止時期の調整や小売電気事業者に対する高需要期に備えた計画的な調達を求めるなどの対応に取り組んでいく考え。政府に対しても需要家への節電対策など検討を求めている。

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