G7サミット、ドイツ・エルマウで開催
気候クラブ設立に合意
ドイツのエルマウで2020年6月、主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)が開催された。議長国のドイツをはじめ、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、カナダ、フランスのG7首脳とインドやウクライナほか6招待国および国連など国際機関の代表らが一堂に会し、「公正な世界に向けた前進」という全体テーマを掲げ、気候変動やウクライナ情勢など国際的な課題について協議した。
環境分野で注目されたのは「気候クラブ」。2022年末までの設立が決まったドイツからの提案だ。これは産業革命以前からの気温上昇を1.5℃以下に抑えようとするパリ協定の効果的な実施を支援するため協力し合う国の集まり。特に産業部門に焦点を当て気候行動を加速させていく。
ドイツがこの国際的連携を提唱した背景には、カーボンリーケージと呼ばれる弊害がある。これは脱炭素に関する規制が厳しい国の企業が、規制の緩い国に生産拠点を移すなどして結果的に温室効果ガス排出量が増加すること。そのため、環境対策の不十分な国からの輸入品に、実質的な関税をかけるといった国境調整措置も検討されている。サミットを終えて発表した気候クラブに関する声明には「国際レベルでカーボンリーケージに対抗する」と明記されている。気候クラブは、G7メンバーだけでなく趣旨に賛同するほかの国にも門戸を開き参加を呼びかけている。
なお、次回のG7サミット議長国は日本で、2023年5月に広島で開催される予定だ。
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