限りある資源を大切に 環境にやさしい登山スタイル
本コラムは当社提供番組『省エネの達人「企業編」』内の省エネコラムと、当社導入事例サイト内で展開していた『環境コラム』を合わせて新たにリニューアルしたものです。
全国的に梅雨の季節を迎え、高い湿度や溜まっていく洗濯物にうんざり……なんて方も多いのではないでしょうか。じめじめした日が続いていますが、そんなときは梅雨が明けた後の季節に目を向けましょう!
7月に入ると本格的な夏山登山シーズンが始まります。コロナ禍の過ごし方のひとつとして、アウトドアレジャーが注目を集めていますね。今回は登山に関連するさまざまな環境保全の取り組みをご紹介します。
山のトイレは循環型
山間部では水はとても貴重な資源です。「雨水」を「天水(あまみず・てんすい)」と表現することもあるそうで、まさに天からの授かりものですね。
山小屋などでは「バイオトイレ」が設置されている場所を多く見かけます。バイオトイレは人間の排泄物をおが屑などとまぜて、微生物の力で分解し、肥料などとして活用するというもの。水を使わずに排泄物を処理することができるのが大きなメリットです。
ただし、気温の低い場所では分解環境が整わない、維持コストがかかるなどの課題もあります。1回の利用につき100円~300円ほどの協力費を集めて、その管理にあてている施設が多いようです。
時短・省エネ調理の極み「山ごはん」
登山の楽しみのひとつに、自分でつくる「山ごはん」があります。限られた食材やガスバーナー・鍋などの調理器具を背負って歩く登山者が食事で心がけていることに、①登山に必要なエネルギーが取れること、②ゴミや排水をなるべく出さないこと、などがあります。
時短・省エネ調理のポイントをいくつかご紹介します。
★調理時間短縮のため野菜のカットなどは事前に済ませておく。
★野菜やお肉はなるべく薄くカットすることで加熱時間を減らす。
★食材を茹でる際の水は少なく、蓋をして「蒸し」調理の状態にする。
※加熱時間の短縮と排水を減らすことができます。
★茹で時間のかかるパスタなどの食材は、事前に水に漬けておくことで茹で時間を短縮する。
※長時間漬け過ぎると食材が溶けてしまうので、漬け置き時間には注意しましょう。
★熱伝導率の高い素材(アルミの鍋など)の調理器具を使用する。
生まれ変わるキャンプグッズ
キャンプグッズも、さまざまな方法でリサイクル・リユースが進んでいます。たとえば、あるテントメーカーでは、イベント展示や流通過程の破損で使えなくなり、これまでは廃棄されていたテントの生地を使ってバッグを制作しています。軽くて強度があり、耐水性にもすぐれているテントはバッグとしても幅広い活用が期待できるアイテムです。
またシュラフ(寝袋)やダウンジャケットなどの羽毛製品も、羽毛をリサイクルする仕組みがあります。古くなった製品をアウトドア用品店などの店頭で回収し、羽毛をきれいに洗浄して、再びダウンジャケットなどの製品として販売します。
不要なものを資源として循環させること。必要以上に廃棄物を出さないこと。使えるものは再利用すること。環境保全というと難しく考えてしまいがちですが、どれも「山頂からの美しい景色を守るための仕組み」です。登山家たちの取り組みには私たちの普段の生活にも取り入れられることがたくさんありそうですね。
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