5年で1000kmを無電柱化
国交省 2030年度までの推進計画決定
防災や安全確保などのため、全国に約3600万本ある電柱の削減に取り組んでいる国土交通省は2026年6月、「第3次無電柱化推進計画」を決定し公表した。2030年度までの5年間で約1000キロメートルの整備完了目標を設定、新規に約4000キロメートルの計画も策定する。
電線の地中埋設といった施策は進められているものの国内の電柱の数は毎年増加している。その状況を踏まえ今回の計画では、これまで以上に削減や新設の抑制を積極的に進め「増やさず、確実に減らす」姿勢で取り組むと明記している。計画期間は2026年度から2030年度まで。重点的に無電柱化を進める3つの分野を示し5年の期間内に1000キロメートルの整備を完了させる。
最初に示したのは防災・強靭化を目的にする分野。2024年1月の能登半島地震では約3480本の電柱が倒壊・損傷して道路をふさいだ。災害復旧に支障をきたすことのないよう高速道インターチェンジと県庁などの防災上の主要拠点を結ぶ緊急輸送道路といったルートを優先整備区間に選定した。また予想される巨大地震に備え今後30年程度の中長期目標も設定した。
次に挙げたのは安全・円滑な交通の確保。電柱によって児童が車道にはみ出す場面をなくし事故リスクを低減するため、無電柱化計画策定地区数の目標値を設定した。具体的には「ゾーン30プラス」区域内の通学路で、これまで5だったものを55地区に増やす。
3つ目は景観形成・観光振興の分野。良好な景観創出を目指し、自治体に無電柱化の推進計画策定を働きかける。観光振興と無電柱化を一体的に進めるよう道路管理者と観光部局などとの連携を強化する。世界文化遺産周辺で計画策定地区数を49から58に増やすといった目標を設定した。
国交省では今後、策定した今回の計画に基づき、経済産業省、総務省、電線管理者などと連携して無電柱化を加速していく考えだ。
第3次無電柱化推進計画のポイント
| 計画目標 ・約1000kmの整備完了 ・新たに約4000kmの計画を策定 |
| 重点対象 ①防災・強靭化 電柱倒壊による緊急輸送路の閉鎖といった事態を防ぐため高速道インターチェンジと県庁を結ぶルートなどを優先整備区間に選定 ②安全・円滑 電柱によって児童が車道にはみ出す危険をなくすため、通学路を無電柱化の対象とする目標値を設定 ③景観形成・観光振興 良好な景観創出を目指し、自治体に無電柱化推進計画策定を働きかけ。道路管理者と観光部局などとの連携強化 |
※本記事は環境市場新聞86号(2面)記事を掲載しています。





























































