Eco Story

時代の流れとともに変化してきた環境問題に対する企業の取り組みを紹介します。

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サポーターと一緒に揺らす環境のゴールネット #49/株式会社 川崎フロンターレ

 今年設立30周年を迎える株式会社川崎フロンターレは、Jリーグ所属の同名サッカーチームを運営する企業。都道府県単位ではなく神奈川県の川崎市のみをホームタウンとし、地域・ファン・サポーターとの距離が近いという利点を生かして設立当初から地域に根差した活動を続けている。
 環境保全にも古くから取り組む。2008年からは多摩川の河川敷やスタジアム・地域の公園施設の清掃を選手・サポーターが一緒に行う活動を継続的に開催している。川崎市、国土交通省、地元企業などの共催で、多いときの参加者は400人を超える。

富士見公園にて地域清掃活動。
笑顔を向けてゴミを拾っているのは川崎フロンターレの山本悠樹選手。


 ホームゲームやイベントの開催時には資源の回収活動を実施する。訪れるファンやサポーターに、使用済みのプラスチック、マイボトル、モバイルバッテリーのほか古本、衣類などを持参してもらい分別回収してリサイクルに回す。
 例えば衣類の場合、回収日を事前にホームページやSNSで告知したうえで集まったものの一部を再生素材に利用し限定ユニフォームをつくる。できあがった品は後日、来場者に配布する。取り組みに協力した人は資源が循環していく流れを体験することになる。
 「応援してくださる方々にリサイクルで生まれ変わったものを還元して、環境問題を身近に感じ、自分事にしてもらいたいです」(サステナビリティ担当・黒木透さん)。2025年には3試合で衣類の回収を実施し約1.5トンも集まった。
 チームのホームタウンである川崎市は「エネルギーを特産品に」とうたい、廃棄物をできる限り有効活用する循環経済への移行を強く推進している。市内には、回収した廃棄物を燃料などに再生するケミカルリサイクルの拠点も多い。資源回収の活動はそんな地域の取り組みと同調するものだ。
 「川崎市は、ゴミの分別徹底、資源回収への参加といった個人の取り組みからエネルギーをつくり出せるまち。世の中に自慢できる場所であることをもっと知ってもらいたい。そうした情報を伝えるすべを、地域に根差した川崎フロンターレは、まだまだ秘めていると思います」(黒木さん)

衣類回収活動を行うサポーター。


 2025年にJリーグは所属する全60のチームとともに、環境分野の国際的イニシアチブSPL(SportPositive Leagues)への参画を発表した。ここには欧州のプロサッカーリーグが複数加わっているがアジアからは初。各チームが行う環境サステナビリティに関する取り組みを数値化し、出されたスコアによって順位づけしていくスキームだ。SPLの評価は各チームが提出する報告書に基づき行われ、ランキング上位のチームは日本財団から傾斜配分制で助成金が交付される。環境問題に積極的に取り組むことで得られた助成金は再投資され、活動がより深化される。
 スポーツになじみ深いスコアを競うやり方はもちろん評価対象の活動がサポーターをはじめ広く一般に知られるようになり環境負荷低減の機運を高められる。そんなSPLの仕組みに川崎フロンターレもチームとして深く共感する。長く取り組んできた環境活動にスコアポイントの獲得という具体的なゴールが示された。その背面ネットは、これまでと同様サポーターと一緒の取り組みで揺らす。

こぼれ話

 もともと環境問題やサステナビリティの取り組みに力を入れていた同チーム。取材にお伺いする前にホームページを拝見したところ、活動の数の多さに驚きましたが、お話を伺うとさらに幅広く、さまざまな取り組みを行っていました。
 協賛企業さまとの取り組みでは、ステンレスボトルやモバイルバッテリーの回収も行っているそう。自分では処分の仕方がわからないものも、回収してもらえる場所があれば環境に対する取り組みに協力できる。それがリサイクルにつながって一挙両得ですね。他にもさまざまなイベントの開催、SPLにおけるポイント分布表の作成など本当に細かいところまで環境問題を考えていらっしゃいます。
 そんな同チームでサステナビリティ関連業務を担当するのは、なんと今回取材をお受けしていただいた黒木さんお一人だそう!とても一人で行っているとは思えない内容ばかりでしたが、黒木さん主導のもと、各部署と協力し全社一丸となって対応されています。地域のため、選手のため、そして何より応援してくださる皆さまのためにもっともっと取り組みを発展させていきたい、という思いがインタビューを通して伝わってきました。地域に強く根差した川崎フロンターレだからこそできる活動に今後も注目していきたいです。
 最後に、川崎フロンターレのロゴと公式マスコットのふろん太がデザインされた木目が素敵なコースターのお土産をいただきました。

コースター1枚あたり抑制したCO2排出量:-110kgCO2e


 なんとこちら、スタジアムで回収した割り箸を高温処理してつくっているそうです。1枚のコースターに約75本の割り箸を使用しており、シンプルでおしゃれなデザインです。筆者はいただいてすぐにデスクで使い始めました!今後も同チームのさらなる取り組みに注目していきたいです。

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