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自己効力感を高める- 低すぎず高すぎず、ちょうどいい目標で

 前回、モチベーションを高く維持するには、適切な小・中目標を立てるのが重要だとお話ししました。その際に必要なことが2つあります。まず、自分自身で目標を立てることで「自分で決めた」という「自己決定感」を高めること。そして、頑張れば達成できる目標にして「私はやればできる、きちんとやれている」という「自己効力感」を高めることです。イメージとしては「自信」という言葉に置き換えてもよいでしょう。自己効力感の高い人は自信を持ち意欲的に課題に取り組み、高いパフォーマンスを発揮できます。低い人は「どうせ自分は駄目」と考え、不安や思い込みなどからミスを引き起こしがちです。日常の生活でも「これならできそう」と感じられれば気軽に取り組め、「無理だろう」と感じるとなかなか腰を上げられません。この「できそう」が自己効力感によるものです。
自己効力感を高めるのに効果的なのは成功体験を重ねることです。「できた」実感を自分の中に取り込んでいけば、自信が育ちます。その成功体験を導く格好のツールが冒頭の「頑張れば達成できる目標」なのです。「頑張れば」の要素を考慮して、低すぎず高すぎない自分で乗り越えられる適切なハードルを設定します。そうして決めた小・中目標を遂げるたび自己効力感は高まっていきます。
なお、設定した目標がクリアできなかったときに「努力不足」よりも「能力不足」が原因だと考える人は、「頑張れば達成できる目標」を立てるのが苦手な傾向にあります。どの程度の目標が適切なのか迷ったときには、上司や同僚、家族や友人から、「あなたができること」を客観的に示してもらい、参考にするのもよいでしょう。あなたをよく知る身近な人に、「適切な小・中目標」かどうか一緒に考えてもらうのも、1つの方法です。

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