前倒し目標達成約8割 産業界の温暖化対策を検証 経済産業省/環境省

産業界の温暖化対策を検証 経済産業省/環境省

 経済産業省と環境省は2021年6月、所管する44業種が策定する低炭素社会実行計画(左欄用語解説参照)について進捗状況などを評価・検証し、結果を公表した。対象は2019年度の実績。計画の多くで進展が見られ、全体の約8割の業種がすでに2020年の目標に到達し、同じく約4割は2030年目標の水準も上回っていた。2016年5月に閣議決定した地球温暖化対策計画では低炭素社会実行計画を産業界における対策の中心的役割と位置づけ、政府の審議会などで定期的に厳格な評価・検証を実施するよう求めている。今回の取りまとめもその方針に基づくもの。
 対象になった44業種における2019年度実績の2020年目標に対する進捗状況の内訳(カッコ内は同2030年目標)は、達成済み=35(17)、目標未到達だが対策なしで現状維持の場合(BAU)などと比べ排出減=5(23)、目標未到達でBAUなどと比べ排出増=2(2)、データ未集計など=2(2)―― となっている。
 バリューチェーンを通じ他部門での取り組みをリストアップした業種は42(うち数値などで示す定量的記載がある業種は28)、グローバル展開を通じ海外での削減貢献で同様のリストアップをした業種は26(同15)、革新的技術の開発・導入では32(同6)だった。
 経産省では温暖化対策に広く役立てるため、今回検証した計画の自主的取り組みの中から他業界でも参考になる活動をピックアップし事例集として公表している。

関連記事一覧