ライフサイクルのCO2をマイナスにする「LCCM住宅」に注目
国土交通省は住意識向上と豊かな住生活の実現に向け、10月を「住生活月間」としてさまざまな啓発活動を行っています。そこで今回はエコ住宅事情や最新のエコ住宅「LCCM住宅」について紹介するほか、リフォームで住まいをエコにする方法を紹介します。
どうすればエコ住宅になるの?
まずは近年のエコ住宅のトレンドを見ていきましょう。エコ住宅に明確な定義はありませんが、地域の気候風土、敷地条件、住まい方などに応じて自然エネルギーを最大限に活かすことと、身近に手に入る地域の材料を使うなど、環境に負担をかけない方法で建てながら、エネルギー消費を大幅に抑えた住宅がエコ住宅に該当します。住宅性能として注目したいのは「断熱、気密、日射遮蔽、日射導入、蓄熱、通風、換気、自然素材」といった要素です。
<参考サイト>
環境省エコハウスモデル事業
近年はエコ住宅と一口にいっても多様な住宅があります。以下は行政機関からエコ住宅として認められ、各種補助金などが活用できる住宅例です。
・認定低炭素住宅…国土交通省が認定した二酸化炭素の排出を抑えるため第一次エネルギー消費量を抑えるといった対策が取られた住宅のこと。
・長期優良住宅…国土交通省が定めた長期優良住宅認定制度の基準をクリアした住宅のこと。耐震性や省エネルギー性、バリアフリー性などの審査項目がある。
・ZEH (Net Zero Energy House)住宅…断熱化や高効率設備の導入による省エネと、太陽光発電などの創エネを組み合わせることで、暮らしの中の一次エネルギーの消費量が差し引きゼロとなる住宅のこと。
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いま注目のLCCМ住宅とは?
最近のエコ住宅で注目を集めているものの1つに「LCCM住宅」があります。LCCMとはLife Cycle Carbon Minus(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)の略。住んでいる間だけでなく住宅建設時から解体・廃棄するまでの間(ライフサイクル)を通じ、再生可能エネルギーなどを利用してCO2排出の削減に取り組む住宅を指します。その時間軸の長さから、LCCMはZEH以上にエコな住宅といわれています。
ただし、環境性能・省エネ性能が優れている分、建築時の費用が一般住宅に比べて多くかかります。そこで活用したいのが補助金制度。高性能な住宅を建設する際の補助金が使用できるのです。
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こんな補助金が使えます
LCCM住宅建設に活用できる補助金は主に2つあります。
※2024年9月現在・補助金には申請時期などさまざまな条件があるのでご注意ください。
①LCCM住宅整備推進事業(一般社団法人環境共生まちづくり協会)
②サステナブル建築物等先導事業(国立研究開発法人建築研究所)
また、LCCM住宅以外のエコ住宅を建設したい、または自宅をリフォームして省エネ住宅にしたいといった際は以下の補助金も活用可能です。
・地域型住宅グリーン化事業
・ZEH補助金
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
このほかに東京都をはじめ各自治体ではエコ住宅建設のためにさまざまな補助金を用意しています。これらも合わせて活用を検討するとよいでしょう。
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リフォームで住まいをエコに
最後に既に住宅を建てた、または分譲マンションに住んでいるといった方が省エネ住宅にしたい場合の住宅リフォームについて紹介します。 既存住宅で省エネ効果の高いリフォームと言えば断熱です。断熱を施すことで夏冬の空調稼働が節約できます。
・窓断熱…暖房の熱は5割以上が窓から逃げると言われています。ガラスの複層化や二重窓への変更、さらに遮熱塗料の塗布などの方法があります。二重窓などのリフォームには防犯性の向上も期待できます。
・天井断熱…天井裏に断熱材を敷き詰めることで室内の温度を一定に保ちます。
・床断熱…床下に断熱材を敷く、または気流止めなどを施すことで特に冬の寒気対策に効果があります。
・外壁断熱…断熱材を施工することで夏の熱の侵入と冬の熱の流出を防ぎます。
上記のほかにもDIYでできるリフォームなどもあります。ぜひご自身に合うリフォームを探し当て、実践いただければと思います。
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