次世代バス導入の指針策定
国交省 自治体向け新たな公共交通を提示
環境負荷の低減や持続可能な地域社会形成のため公共交通機関の見直しを進めている国土交通省は2022年9月、自治体の土木部局などを対象として、連節バスや専用道といった高次の機能を備えたBRT(バス高速輸送システム: ページ下部に用語解 )導入に関するガイドラインを策定した。2022年4月現在28ヵ所で運行されている国内事例を整理し、導入する際の知見、ノウハウ、留意点をまとめている。
策定の背景には、2050年までのカーボンニュートラル実現という政府目標に向け交通手段の低炭素化が必要なこと、少子高齢化や人口減少に対応できる地域の公共交通機関が求められていることなどがある。
ガイドラインでは、鉄道と路線バスの中間的な輸送モードで道路を走行するためルート設定の自由度が比較的高いなど次世代バスの特徴も示す。導入プロセスの説明では、構想、計画、事業化、管理運営の各段階で必要な項目や留意点を整理。構想段階で「都市が目指すまちづくりや公共交通に関する将来像を踏まえた検討」、計画段階で「道路空間を利活用したまちの賑わいの創出」などをそれぞれ留意するといった内容が示され、導入時の実作業に沿った情報が記載されている。さらに地域公共交通の見直しへの国の支援制度もまとめており、ここでも構想、事業化、管理運営など各段階に分類している。
全文は国交省ホームページで「道路空間を活用した地域公共交通(BRT)等の導入に関するガイドライン」として公表している。
BRT 日本語では「バス高速輸送システム」と訳されるBus Rapid Transit の頭文字をとった略語。連節バスや優先 信号制御、専用道などの高次の機能を備えた公共バスのこと。 国土交通省のガイドラインではBRTを「走行空間、車両、運行管理等に様々な工夫を施すことにより、速達性、定時性、輸送力について、従来のバスよりも高度な性能を発揮し、他の交通機関との接続性を高めるなど利用者に高い利便性を提供する次世代のバスシステムである」と定義している。 |
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